アルミニウム箔の電気抵抗


目次
  1. 目的
  2. 理論
  3. 実験方法
  4. 実験式の誘導
  5. 考察

1. 目的                       目次へ戻る。   オームの法則I=V/Rを用いてアルミニウム箔の電気抵抗を測定す  る。幅a、長さb、厚さdと電気抵抗Rの関係R=ρb/(ad)を検  証する。ただし、ρは比例定数で抵抗率と言う。測定結果から抵抗率を  求め、物理実験のテキストまたは理科年表の値との比較検討をおこなう。 2. 理論                       目次へ戻る。  (1) 幅a[cm]と電気抵抗R[Ω]は反比例の関係であると考えられる。  従ってRは1/aに正比例すると考えてよい。   (2) 金属の電気抵抗は等方性であるから、アルミニウム箔についても同  じように等方性であると考えると、厚さd[cm]はaと同様に考えるこ  とができる。しかし、この実験においては厚さを変化させることはでき  ないので、aの結果から類推する。  (3) 長さb[cm]と電気抵抗R[Ω]は正比例の関係であると考えられる。 3. 実験方法                     目次へ戻る。 (1) 実験の概略    図1に示すように長さ30cmで、幅が各々10mm、8mm、6   mm、4mm、3mmに切断した5種類のアルミニウム箔を、台紙に   固定する。このとき台紙の上に1mm目盛りのある方眼紙をはってお   くと測定のとき都合がよい。このように準備したアルミニウム箔の電   気抵抗を図1のような方法で測定する。電源として、単一の乾電池に   適当な抵抗を直列に接続して約25mAの電流にする。このように電   流の強さを制限するのは、電流が強いとアルミニウム箔がジュール熱   により加熱され、高い温度における電気抵抗を測定するおそれがある   からである。金属の電気抵抗は小さい値(a=1.2cm、b=25c   mのときRは約0.043Ω)であるから、V=IR=0.025×0.   043=1mVとなり電圧計として1〜10mVが測定できる電圧計   が必要である。 図1  (2) アルミニウム箔の切断、厚さの測定   ○アルミニウム箔の切断     両刃の安全カミソリの片刃を画用紙、セロテープを用いて図2の    ように保護する。 次に、料理用アルミニウム箔をガラス板の上にセロテープで固定    し、1mmの目盛り付きの物差しで、長さ30cm、幅は各々10    mm、8mm、6mm、4mm、3mmに切り取る為の印をつける。     切断には、金属の板(例えばアルミサッシ)及び図2のカミソリ    を用いてガラス板の上で切断し、図3のように台紙(厚紙)に固定    する。台紙の上に1mm目盛りがあるグラフ用紙をつけておくと測    定に便利である。アルミニウム箔を固定するセロテープは、2〜3    mm程度の幅に細く切断して用いる。このようにして固定したセロ    テープ間の部分が25cm以上あることが必要である。 図2

図3   ○アルミニウム箔の厚さの測定 電気抵抗を測定するアルミニウム箔の厚さを直接測定するのが最    も望ましい方法であるが、実際には困難であるから、上記の電気抵    抗測定の為のアルミニウム箔に隣接する部分から適当な長さ(質量    測定において10mgまで測定して3桁の測定値が選られる広さ、    約15cm×25cm以上)切り取り、次の方法で厚さを測定する。    (イ) ミクロメーターで数箇所測定して平均する。    (ロ) 図4のAB,BC,CD,DA,AC,BDの長さを測定し、     ヘロンの公式を利用して面積を計算する。次に天秤で質量を10     mgの単位まで測定し、アルミニウムの標準の密度(2.69     g/cm)を用いて厚さを推定する。質量は有効数字3桁以上必     要である。 図4   (3) 電気抵抗の測定   ○実験器具     電流計(50又は100mA計)、電圧計(10mV計)、乾電    池(単一)、電池ホルダー(抵抗付き)、アルミニウム箔(図3)、    テスター棒(バナナチップ付き)×2本、クリップ付リード線3本   ○測定回路、10mV計     測定回路は図1に示してある。電流を流す為アルミニウム箔を事    務用クリップではさむ時は、箔を破らないようにするため台紙(厚    紙)ごとはさむのがよい。ミノムシクリップ、バナナチップは接合    部分の構造により不安定にならないように、最も適当クリップを選    んで使用すること。      10mV計は増幅器付であるから、次のようにして使用する。    (イ) 信号の入力端子を短絡用リード線(バナナチップ付の最も短い     線)で短絡する。電源スイッチをonにする。安定するまで数分     間そのままにする。数分経過してから零点調節ツマミにより零点     調節する。その後、短絡用リード線をはずしテスター棒付のリー     ド線を接続する。      以上の準備が完了してから回路に電流を流す。この時、初めか     らクリップを固定してしまうと電流計の指針が逆に触れたり、振     り切れたりすることがあるので、初めはクリップは完全に固定し     ないで、瞬間的に接触させて見て正常に動作することを確認して     から固定するのがよい。参考の為に10mV計の回路図を図5に     示してある。 図5   ○幅と電気抵抗の関係     b=25cm(一定)とし、aとRの関係について測定する。電    流の強さI、電圧Vは最少目盛りの1/10まで読み取り、記録す    る。記録は数表の形式で整理しながら記録する。同時にグラフも作    成する。測定結果のための数表の一例を図6に、またグラフの一例    を図7に示してある。
b(cm) Y(mV) n(Ω) k(*10^−3)
25.00 24.0 2.56 0.1110 2.0
20.00 24.0 2.16 0.0908 2.0
15.00 24.0 1.51 0.0671 2.0
10.00 24.0 1.06 0.0443 2.0
5.00 24.0 0.56 0.0223 2.1
図6 図7   ○長さと電気抵抗の関係     a=4mm、およびa=6mmのアルミニウム箔についてb=2    5cm、20cm、15cm、10cm、5cmについてそれぞれ    測定する。グラフの一例を図8に示してある。 4. 実験式の誘導                   目次へ戻る。  (1) まず直接的な結果として、測定結果からRをa、bの関数として表   し、測定値を用いて比例定数を決定する。  (2) 一般に金属の電気抵抗は等方的であることから、この箔においても   aとbが同じ性質であると考えるとdもaと同様に位置ずけられ、R   をa、b、dの関数として表すことができる。比例定数をρとして式   で表し測定値を用いてこの実験式を完成させる。 5. 考察                       目次へ戻る。  (1) アルミニウム箔の厚さの測定値について2つの方法の結果を比較検   討せよ。  (2) グラフのばらつきについて、その原因を考察せよ。  (3) 上で求めたρが抵抗率である。定数表のアルミニウムの標準値と比   較し、その差を生じた原因について考察せよ。

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