仲間の中の『独り』
クリスタルの加護を受けし4戦士・・・、バッツ・レナ・ファリス・ガラフ。
この4人は、運命に導かれ出会った。そして、仲間となった。だが、その仲間に疑問を抱くものもいた。
「・・・俺は、独りを好んでいる。」
ファリスだった。もともと、一匹狼的な彼は、『群れる』『仲間』と言うものは作らない性分だった。だが、今はまわりに仲間がいる。彼自身、それが不思議だった。
風の神殿___
「てやぁ!」
バッツの剣がブラックゴブリン共をなぎ倒す。
「よし、終わり!だんだん簡単になってきたな。」
「レベルがそれだけ上がっているのよ。」
「そろそろ、クリスタル・ルームじゃないかの?」
「うん。この階段を上がって、奥の部屋がそうよ。」
「よし、行こうぜ!・・・ファリス、行くぞ!」
壁により掛かっていた、ファリスに話しかける。
「大丈夫か?さっき、怪我したように見えたが・・・」
そうなのだ。先ほどの戦いで、ファリスは傷を負った。だが、そのとき他の2人は戦っていて、気がつかず、気が対のはバッツだけだった。
「・・・ほっとけ。こんな傷、なんともない」
と、冷たく言いはらい、先に進んだガラフを追うように階段を上っていった。バッツに近寄って話し始めるレナ。
「・・・ファリス、あまりうちとけてないよね。私達と・・・」
「ああ。根は悪い奴じゃないと思うんだけどな・・・。」
「うん。そのうち、うちとけると思うけどね。」
2人は、別の2人を追って階段を上っていった。
上の階では、すでに戦いがくり広がれていた。
「バッツ!遅いぞい!!」
「わ・・・悪ィ、悪ィ!!」
バッツと、レナも剣を抜いて戦闘開始。
全員で、剣で攻撃する。だが、なかなかうまくいかない。全員、瀕死状態に陥ってしまった。そんなとき、奴の嘴がファリスに襲う。
「・・・!!」
「ファリス!!」
反撃する暇なく、嘴は襲いかかった。だが、そこにバッツが飛び出てきた。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
「バッツ!!」
バッツは、気が遠くなり意識がどこかへ飛んでいった。
「・・・うっ・・・」
「あっ、気がついた!よかった・・・」
ベットに横になっているバッツ。本人は何がどうなっているのか分からない。
「モンスターにやられて、気絶しちゃったのよ。私、下に行ってガラフに言ってくるわ」
「ああ・・・。」
「それじゃ。そうそう、ファリスが話があるって言ってたから、呼んでくるね」
ドキッとした。あいつのことだから、なんて言われるかと思っているのだろう。いろいろ想像しながら、扉が開いた。
「ファリス・・・」
「・・・・・」
少しの間沈黙が続いた。だが、それが破られバッツが口を開いた。
「は、話って・・・?」
「・・・なんで」
「?」
「何で、あの時俺の前に飛び出てきた?」
「えっ・・・?何でって、言われても・・・」
「俺は、誰かのために戦うなんて、今までに一度だってしたことがない。お前達とは違う。」
それを聞いたバッツは、怒ったように叫ぶ。
「だから、俺達とは戦えないって言うのか!!!」
「そうじゃない!!」
ファリスの反抗に静まり返る。熱くなった熱気が一気に冷めた。
「・・・誰かを護るなんて、俺は嫌だ。だけど・・・、誰かが俺を護って傷つくのはもっと嫌だ・・・」
「ファリス・・・」
「辺りが、真っ暗になったんだ。お前が前に出てきたとき・・・。」
顔をうずめながら話し始めた。今まで、自分のことは一切口にしていなかったファリスが、初めてもらした本音のように思えた。
「目の前で、お前が倒れて・・・、怖くて・・・、お前が死んでしまったかと思った。これだから、群れて戦うのは・・・」
バッツは、それまで黙って聞いていたが、重い口を開いて話し出した。
「・・・・・・俺も、仲間がいるからって少し甘かったのかも知れない。お前に迷惑かけるようだったのかもな。」
「お前・・・」
「俺、強くなるよ。お前に迷惑かけないように。お前らを護るためにも、強くなるよ!お前らとだったら、強くなれるような気がするんだ。・・・・・なーんてな」
それと同時に、2人は笑い出した。
「ハハハッ、ファリス、今度は負けないようにしないとな」
「・・・ああ!クリスタルを・・・」
「護るために!」
バッツは、分かった。ファリスは誰よりも、仲間のことを思っていること、そしてそれを自分でも気がついていないことを。ファリスは、仲間の暖かさを知った。そして、その中に自分ももう入っていることを。
ファリスは、部屋から出ようとした。だが、去り際に一言もらした。
「ありがとう」
「・・・・ああ!」