〜幻のソルジャー〜
「あ〜あ・・・・・今日も雑用か・・・・・」
歴戦の勇者、ザックスは真っ青な空を見上げて言った。
歴戦の勇者と言うのもシュミレーションでの話である。
彼は神羅のソルジャーという名誉な称号を持っているものの実戦で戦ったことは一度もないのだ。
今日、彼はミッドガル周辺の調査を依頼された。
しかし、本当に平和な場所だ・・・・・ここにはモンスター1匹いない・・・・・。
「う〜っ・・・・・退屈だぁ・・・・・」
ザックスは緑色の芝生に寝転がると、草原を吹き抜ける風に髪をなびかせた。ふと目をつぶってみる・・・・・ここにいれば全てを忘れられるようだ・・・・・。
「おい!!!寝るな!!!」
・・・・・?・・・・・
「起きろって!!!」
・・・・・ああ?・・・・・
「ザックス!!!」
・・・・・!!!・・・・・
ザックスは目を開けた。
「ハハハ!!!3ヶ月ぶりか?相変わらずだな。」
眠たい目を何度かこすってからザックスはやっと我に返った。
「なぁんだ・・・・・セフィロスか?」
そこには黒マントに長剣を持ったセフィロスが立っていた。
「いいのか?今日はパトロールの任務があったはずだが。」
セフィロスは、少し笑うと長剣を抜いて、ザックスの方に向けた。
「な・・・・・なんだよ・・・・・?」
「ソルジャーがそんなことでいいのか?」
「はぁ?」
「我々は神羅の特別な存在だぞ?腕が鈍ったらどうする?」
「ハハハ!!!そんなバカな。」
「フッ・・・・・それなら久しぶりにやるか?」
セフィロスは長剣を構えた。
「おもしれぇ!!!やるか!!!」
ザックスも背中からバスターソードを抜き取り構える。
草原を吹き抜ける風・・・・・双方は剣を構えたまま動こうとしない・・・・・。
「いくぞ!!!セフィロス!!!」
ザックスはセフィロスに飛びかかった!!!・・・・・が・・・・・。
「助けてくれぇ!!!」
神羅ビルの方から、神羅兵2名が走ってくる。
「な・・・・・なんだ!?」
ザックスは驚きのあまり開いた口がふさがらない。
「よく見ろ!!!後ろだ!!!」
セフィロスが叫んだ。神羅兵2名の背後から接近する大きな物体は・・・・・。
「あれは!!!TX−2式のファントム!!!」
ザックスが剣を構え直しながら叫んだ。
「知ってるのか!?」
セフィロスが聞いた。
「ああ。この前、アイツらが整備するのを見たんだ。2足歩行型ロボットだ!!!」
「装備は・・・・・ロケットランチャー1機にバルカンが2門・・・・・やれそうだな!!!」
「行くぜ!!!セフィロス!!!」
ザックスは目の前に迫ってくるファントムに飛びかかった!!!
「ブレイバー!!!」
空高く飛び上がったザックスの身体が赤く光ったかと思うと、鉄の装甲に切りかかる!!!
ガチンッ!!!
「痛てぇ!!!」
ザックスは反動で吹き飛ばされた。そのまま草むらに倒れ込む。
「ザックス!!!・・・・・くそっ!!!」
ズバッ!!!
セフィロスの長剣が神羅兵を捕らえていたファントムのアームを切り落とした。
「あ・・・・・ありがとうございます!!!」
神羅兵は、慌てて岩陰に隠れる。
「シンニュウシャヲマッサツセヨ!!!」
ファントムの目が鋭く光った。
「・・・・・くっ!?暴走か!!!」
「マッサツ!!!マッサツ!!!」
ファントムのミサイルランチャー!!!セフィロスの脇腹に直撃した。
「うおっ!?バカな!?」
今の一撃で、セフィロスは身動きが取れなくなってしまった・・・・・。
「ぐっ・・・・・これまでか・・・・・」
ファントムが鈍い動きで、セフィロスに迫ってきた。
そのままミサイルランチャーの照準をセフィロスに合わせる。
「・・・・・・・・・・」
セフィロスは覚悟を決めて目をつむった。
「マッサツ!!!マッサツ!!!マッサ・・・・・ツ・・・・・マ・・・・・」
「・・・・・?・・・・・」
ファントムの動きは完全に停止してしまったようだ。
「ふぅ・・・・・間に合ったぁ・・・・・」
ファントムの陰から姿を現したのは、ザックスだ。
「ザックス!!!」
ファントムの分厚い装甲にはバスターソードが突き刺さっていた。
「オマエ・・・・・どうやって・・・・・?」
「え・・・・・?」
ザックスは今になって自分のしたことに気がついたようだ。
「さ・・・・・さぁ?どうやったんだっけ・・・・・?」
「よくそんな分厚い装甲を破れたな。」
ザックスに起こされながらセフィロスが少し驚いた表情で言った。
「大事な友達を守るためじゃないかな・・・・・?」
ザックスは頭をポリポリとかきながら言った。照れているようだ。
「ハハハ!!!友達か!!!」
セフィロスが声を上げて笑った。
「な・・・・・なんだよ・・・・・なんか変なこと言ったか?」
「さぁな。」
「なんだよそれ?」
心地の良い風が、またミッドガルの草原を吹き抜けた。
数ヶ月後・・・・・彼らは別のカタチで剣を交えることになる・・・・・。
友人ではなく・・・・・敵として・・・・・。
今の彼らにそんなことは考えもつかない・・・・・。
夏の青空が眩しい・・・・・そんな1日だった・・・・・。